草加に住む前、この街に対して抱いていた印象は、どちらかといえばシンプルなものでした。
「東京に近い埼玉県の街」。
筆者も実際に暮らすまではそれ以上のイメージをあまり持っていませんでした。
ところが、住んでみての印象は何でもそろった巨大都市というより、日常に必要な便利さを持ちながら、東京や周辺都市の便利さも使える街というものでした。
街がコンパクトで、普段の移動がしやすい。
坂が少ないので、自転車で買い物やちょっとした用事に出かけるのも苦にならない。
そして東京はすぐ隣なのに、普段の生活は意外と落ち着いている。
何か一つ、ものすごく目立つ理由があったわけではありません。
日々の暮らしを重ねていく中で、
「草加って、なんかちょうどいいな」
と思う場面が増えていったのです。
この記事では、実際に草加で暮らして感じたことを交えながら、交通や買い物、街の環境、住まい、暮らすうえで知っておきたい点まで、草加の「ちょうど良さ」を掘り下げて紹介をしていきます。
街がコンパクトで、日常の移動がしやすい
草加市の面積は27.46平方キロメートル。東西約7.24キロメートル、南北約7.60キロメートルです。
暮らしてみて感じたことの一つが、「意外とコンパクトな街だな」ということでした。
実際に生活していると、買い物や子どもとの外出、ちょっとした用事などで市内を移動する機会があります。
それでも、「同じ草加市なのに、ずいぶん遠いな」と感じる場面はあまりありません。
駅へ行く。
スーパーで買い物をする。
子どもと出かける。
気になる飲食店へ行ってみる。
こうした日常の移動が、比較的小さな生活圏の中に収まりやすいと感じます。
しかも、草加はただ小さいだけの街ではありません。
市内を南北に東武スカイツリーラインが走り、谷塚駅、草加駅、獨協大学前〈草加松原〉駅、新田駅という4つの駅があります。
道路に目を向ければ、国道4号が南北方向の大きな交通軸となり、市北部には国道298号や東京外環自動車道も通っています。
コンパクトな市域の中に、鉄道と幹線道路の大きな軸がある。
草加で感じる「動きやすさ」には、こうした街のつくりも関係しているのだと思います。
住む街を考えるとき、「東京まで何分」「駅徒歩何分」といった数字に目が向きがちです。
でも、毎日の暮らしでは、
「スーパーまで何分か」
「病院まで何分か」
「公園まで何分か」
という身近な距離も重要です。
草加では、そんな日常の移動を比較的小さな範囲で組み立てやすい。
「東京まで何分?」だけでなく、「家を出て15分で何ができる?」という視点で見ると、この街の暮らしやすさが少し違って見えてきます。
坂が少ない。自転車で動きやすいのは大きなメリット

草加に住んで個人的に気に入っていることがあります。
それは、坂が少ないことです。
観光地のような分かりやすい魅力ではありませんが、毎日の生活ではかなりありがたい。
筆者自身、普段の買い物や近所への移動で自転車を使いますが、大きな坂を意識する場面はほとんどありません。
スーパーへ買い物に行く。
駅へ向かう。
子どもと近所へ出かける。
少し離れた店まで行ってみる。
こうした何気ない移動のたびに、急な坂を上らなくていい。
実際に暮らしてみると、この差は思っていた以上に大きいと感じます。
草加市の公式ホームページも「草加市自転車ネットワーク計画」の中で、市内を「平坦な地形」としており、自転車利用率は埼玉県内第3位としています。
「草加は自転車で動きやすい」という筆者の感覚には、客観的な背景もありました。
街がコンパクトで、しかも平坦。
この2つは、とても相性がいい。
「歩くには少し遠い。でも車を出すほどでもない」
そんな距離を自転車で気軽に移動できることは、暮らしてみると想像以上に便利です。
普段の買い物は市内で。大きな買い物は近隣へ

草加の周辺を見ると、越谷や三郷には大規模な商業施設があります。
一方、草加市には街を代表するような巨大ショッピングモールがあるわけではありません。
ところが、実際に暮らしていて買い物に困るかというと、筆者はあまりそう感じていません。
市内にはベルクス、東武ストア、マルエツ、いなげや、ヤオコーなどの食品スーパーがあります。
そのほかにも、業務スーパー、ビッグ・エー、オーケー、ロピア、ジャパンミートなどがあり、用途や価格によって買い物先を選べます。
草加市内には多くのスーパーマーケットやディスカウントショップが存在します。
ここで大切なのは、単純な店舗数だけではありません。
コンパクトな市域の中に、普段使う店が点在していることです。
毎日必要なのは、巨大なショッピングモールではありません。
食品を買えるスーパー。
日用品を買えるドラッグストア。
ちょっとした外食ができる店。
そうした「なくては困るもの」が身近にある。
草加の買い物環境は、「何でもある」というより、**「普段の生活に困りにくい」**という表現の方がしっくりきます。
そして、もっと大きな買い物をしたいときは、近隣の街へ行けばいい。
北には越谷市。
南には東京都足立区。
西には川口市。
東側には八潮市や三郷市があります。
実際に暮らしていると、「ここから先は別の市だから行かない」と考えることはほとんどありません。
草加市内にすべてがそろっていなくても、必要なときに周辺都市の便利さを使える。
普段使うものは近くに。たまに使うものは少し先に。
この距離感は、草加で暮らすうえでの大きな利点だと感じます。
コンパクトな市内に4つの生活拠点がある

草加市内には、東武スカイツリーラインの駅が4つあります。
南から谷塚駅、草加駅、獨協大学前〈草加松原〉駅、新田駅です。
同じ草加市内でも、それぞれの駅周辺には少し違った特徴があります。
谷塚は4駅の中で最も東京寄りにあり、足立区も身近な生活圏になります。
草加駅周辺には商業や行政などの機能が集まり、市の中心としての役割を担っています。
獨協大学前〈草加松原〉駅周辺には獨協大学や草加市立中央図書館があり、草加松原も徒歩圏にあります。
新田駅は越谷市に近く、駅周辺ではまちづくりも進められています。
草加市の都市計画では、草加駅周辺を「都市核」、谷塚・獨協大学前〈草加松原〉・新田の各駅周辺を「地域核」と位置づけています。
| 駅 | 周辺の主な特徴 |
| 谷塚駅 | 市内4駅で最も東京寄り。足立区も身近な生活圏になる |
| 草加駅 | 商業施設や市役所などが集まる、市の中心的なエリア |
| 獨協大学前〈草加松原〉駅 | 獨協大学や中央図書館があり、草加松原も徒歩圏にある |
| 新田駅 | 越谷市に近く、駅周辺のまちづくりが進むエリア |
コンパクトな市内に4つの駅があり、それぞれ少し違った生活圏を持っている。
東京への近さを重視する。
市中心部の便利さを重視する。
自然や住環境とのバランスを考える。
越谷方面も生活圏に入れる。
同じ草加市内でも、自分の暮らしに合わせてエリアを選べることは、この街の面白さです。
電車だけじゃない。バスや車でも生活圏が広がる

草加の鉄道といえば東武スカイツリーラインです。
筆者自身も、住む前は「草加の交通=東武線」というイメージを持っていました。
ところが、実際に暮らしてみると、意外と便利なのがバスです。
例えば草加駅からは、川口駅や竹ノ塚駅、鳩ヶ谷駅方面へ向かう路線があります。
また、草加市のコミュニティバス「パリポリくんバス」では、草加駅西口や谷塚駅西口などから、日暮里・舎人ライナーの見沼代親水公園駅方面へ向かうことができます。
暮らす前は「東武線が止まったら移動手段が限られそうだな」という印象もありましたが、実際には竹ノ塚駅方面や見沼代親水公園駅方面など、別方向へ動く選択肢があります。
東武スカイツリーラインが南北方向の軸なら、バスは東西方向への移動を補ってくれます。
車を使う場合には、国道4号が南北方向の大きな軸になります。
北へ向かえば越谷方面、南へ向かえば東京都内方面へつながり、市北部には国道298号や東京外環自動車道もあります。
近所なら自転車。
東京方面なら電車。
東西方向ならバス。
周辺都市へは車。
どれか一つの移動手段だけに頼るのではなく、目的に応じて選べる。
これも、草加に暮らしてから実感した便利さの一つです。
国指定名勝「草加松原」が日常の中にある

ここまで交通や買い物について紹介してきました。
でも、草加の魅力は「便利な住宅都市」というだけではありません。
そのことを象徴する場所が、草加松原です。
綾瀬川沿いに約1.5キロメートル続く松並木で、江戸時代から日光街道の名所として知られてきました。
2014年3月18日には、松尾芭蕉の紀行文『おくのほそ道』に関連する風景地として、「おくのほそ道の風景地 草加松原」の名称で国の名勝に指定されています。
埼玉県内の国指定名勝は2026年現在、「長瀞」「三波石峡」「おくのほそ道の風景地 草加松原」の3件です。
東京のすぐ隣にある住宅都市に、埼玉県内でも数少ない国指定名勝がある。
それだけでも十分に特徴的ですが、草加松原の面白さは、その希少性だけではありません。
実際に現地を歩いてみると、散歩をしている人、ジョギングをしている人、自転車で通る人、ベンチで休憩する人など、市民の日常の姿があります。
「国の名勝」と聞くと、観光客が訪れる特別な場所を想像するかもしれません。
でも草加松原は、そうした場所でありながら、同時に普段使いの場所でもあります。
歴史的な景観の中を、市民がいつもの散歩道として歩いている。
その光景を見ていると、草加松原は「見に行く場所」というより、暮らしの中に自然に存在している場所なのだと感じます。
最寄りの獨協大学前〈草加松原〉駅からも近く、周辺には住宅やスーパー、大学、図書館があります。
国指定名勝でありながら、市民の日常の中にある。
この距離感も草加らしさの一つです。
東京はすぐそこ。でも、日常は落ち着いている

草加の南側は東京都足立区です。
谷塚からさらに南へ向かえば、すぐ東京。
この距離は、草加で暮らすうえで大きなメリットです。
一方で、草加そのものが東京のような大都市というわけではありません。
駅前を離れれば住宅街が広がり、公園や川があります。
週末になるたびに、大勢の観光客が押し寄せるような街でもありません。
それを「物足りない」と感じる人もいるでしょう。
でも、暮らす場所として考えると、その落ち着きが心地よく感じることもあります。
普段使う道や店が観光客であふれることは少なく、自分や家族のペースで生活しやすい。
必要なときは東京へ行ける。
でも、普段から大勢の人や刺激の中で暮らす必要はない。
東京に近いという便利さを使いながら、東京とは少し違った日常を送れる。
この距離感も、草加ならではだと思います。
住宅コストも「東京の隣」を考える材料になる
住む街を選ぶうえで、住宅コストも気になるところです。
そこで、草加市の中心駅である草加駅と、東京都足立区の竹ノ塚駅の家賃相場を比べてみます。
LIFULL HOME’Sが公表している2026年9月時点の参考相場は、次のとおりです。
| 間取り | 草加駅 | 竹ノ塚駅 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 1LDK | 約11.0万円 | 約13.8万円 | 約2.9万円 |
| 2LDK | 約16.9万円 | 約19.9万円 | 約3.0万円 |
今回確認した参考相場では、1LDK・2LDKともに草加駅の方が月額で約3万円低くなっています。
もちろん、実際の家賃は駅からの距離や築年数、専有面積、設備などによって大きく変わります。また、掲載物件や集計時期によって相場も変動するため、「草加なら東京より必ず安い」というわけではありません。
それでも、都内へアクセスしやすい草加駅周辺で、東京都内の近隣駅とは異なる価格帯の物件を探せることは、住む場所を検討する際の一つの材料になります。
※家賃相場は2026年9月11日時点のLIFULL HOME’S掲載データを参考にしています。実際の賃料は物件ごとの条件によって異なります。
良いところばかりではない。平坦な土地には水害リスクも
もちろん、草加が誰にとっても完璧な街というわけではありません。
大型商業施設の規模を重視するなら、越谷や三郷など近隣市には魅力的な選択肢があります。
市内を走る旅客鉄道も、基本的には東武スカイツリーラインです。
そして、暮らしていてメリットに感じる「平坦さ」にも別の側面があります。
草加市は中川・綾瀬川下流域の低平地に位置しています。
坂が少なく自転車で移動しやすい一方、水害リスクについては確認しておきたいところです。
住む場所を検討する際には、市が公開しているハザードマップなどを確認し、その土地の特徴を理解しておくことが大切です。
住みやすい街だからといって、弱点がないわけではありません。
良いところと注意すべきところの両方を知ったうえで、自分の暮らしに合うかを考える必要があります。
暮らして分かった、草加の「ちょうど良さ」

草加に住む前は、「東京に近い埼玉県の街」という印象が強くありました。
でも実際に暮らしてみると、それだけではないことが分かります。
街はコンパクトで、坂が少なく、自転車で動きやすい。
普段の買い物に困りにくく、電車だけでなくバスや車も使える。
市内にないものが必要なら、東京や周辺都市へ足を延ばせばいい。
その一方で、駅前を少し離れれば住宅街が広がり、日常のすぐそばには国指定名勝の草加松原もあります。
何か一つが突出している街ではないかもしれません。
でも、暮らすうえで必要なものが過不足なくそろい、不便を我慢する必要も、華やかさのために無理をする必要もない。
普段使うものは近くに。たまに使うものは少し先に。
無理なく、自分や家族のペースで暮らせる。
それが、実際に暮らして見えてきた草加の「ちょうど良さ」です。
よくある質問(FAQ)
草加市は東京都に隣接していますか?
はい。草加市の南側は東京都足立区と接しています。市内を東武スカイツリーラインが南北に走っており、谷塚駅、草加駅、獨協大学前〈草加松原〉駅、新田駅の4駅があります。
草加市の面積はどのくらいですか?
草加市の面積は27.46平方キロメートルです。東西約7.24キロメートル、南北約7.60キロメートルの比較的コンパクトな市域となっています。
草加市は自転車で移動しやすいですか?
草加市は平坦な地形が特徴で、市が公表している「草加市自転車ネットワーク計画」では、自転車利用率が埼玉県内第3位とされています。
筆者自身も実際に暮らしていて、大きな坂が少なく、自転車での買い物や近距離の移動がしやすいと感じています。
草加市内には鉄道駅がいくつありますか?
東武スカイツリーラインの駅が4つあります。
南から谷塚駅、草加駅、獨協大学前〈草加松原〉駅、新田駅です。
東武スカイツリーライン以外の駅にもアクセスできますか?
バスを利用することで、東武線以外の駅方面へ移動することもできます。
草加駅からは川口駅、竹ノ塚駅、鳩ヶ谷駅方面へのバスがあり、草加駅西口や谷塚駅西口などからは、日暮里・舎人ライナーの見沼代親水公園駅方面へ向かうコミュニティバス「パリポリくんバス」も運行されています。
草加市には大型ショッピングモールがありますか?
越谷や三郷を代表するような巨大ショッピングモールは草加市内にはありません。
一方、市内には複数の食品スーパーやディスカウントショップ、ドラッグストアなどがあり、日常の買い物先には選択肢があります。
また、周辺都市の商業施設も生活圏に入れやすい立地です。
草加松原とはどんな場所ですか?
綾瀬川沿いに約1.5キロメートル続く松並木です。
江戸時代から日光街道の名所として知られ、2014年3月18日に「おくのほそ道の風景地 草加松原」として国の名勝に指定されました。
現在も散歩やジョギングなどで利用され、市民の日常生活に身近な場所となっています。
草加松原は埼玉県内でも珍しい名勝なのですか?
はい。埼玉県内の国指定名勝は「長瀞」「三波石峡」「おくのほそ道の風景地 草加松原」の3件です。
草加松原は、埼玉県内でも数少ない国指定名勝の一つです。
草加市は車でも移動しやすいですか?
市内を国道4号が南北方向に通り、市北部には国道298号や東京外環自動車道があります。
近距離なら自転車、東京方面なら電車、東西方向ならバス、周辺都市への移動には車など、目的に応じて交通手段を選びやすいことも草加の特徴です。
草加市に住む際に注意しておきたいことはありますか?
草加市は平坦で自転車を利用しやすい一方、中川・綾瀬川下流域の低平地に位置しています。
住む場所を検討する場合は、草加市が公開しているハザードマップなどを確認し、水害リスクについても把握しておくことをおすすめします。
参考文献・参考資料
・草加市「草加市の概要」
・草加市「草加市自転車ネットワーク計画」
・草加市「草加市都市計画マスタープラン」関連資料
・草加市「バスのりば案内」
・草加市「パリポリくんバス」関連資料
・草加市「草加市の指定・登録文化財等」
・草加市「おくのほそ道の風景地 草加松原」
・埼玉県「埼玉県文化財目録」
・草加市「草加市ハザードマップ」関連資料
・国土交通省・関東地方整備局 国道4号関連資料
・東武鉄道「東武スカイツリーライン」駅・路線情報
・全国スーパーマーケット・ディスカウントショップマップ(GeoMedia)「埼玉県草加市のスーパーマーケット・ディスカウントショップ」
・ LIFULL HOME’S「草加駅の家賃相場」「竹ノ塚駅の家賃相場」
・筆者の草加市での居住経験・現地確認
※店舗、家賃相場、公共交通機関の路線・運行状況などは変更される場合があります。最新情報については、各自治体・交通事業者・店舗・サービスの公式情報をご確認ください。